こんにちは、みちブログです。
今日は、v.e.フランクルの夜と霧の感想でございます。
ホロコーストを生き抜いた数多くの手記の中で外せない一冊ですよね。とりわけ、初版の写真のインパクトは生涯忘れる事はなさそうです。
読後まずは、自分の境遇が、大分ましだと気がついて安心します。お腹いっぱい食べれることのありがたみや、家族がいてくれる、住む家がある事、に。
そのあと、大切なメッセージを受けとる。
それは、未来になりたい自分を決めるといい、です。
未来の自分に希望を持ち、あたかも実現しているかのごとく振る舞う。マーフィーの法則みたいですが。
希望をもつ事は大事だけど、持ち方があるよ、とも。
クリスマスに解放されるという噂を信じていた多くの人が、叶えられないと分かると、バタバタと亡くなった、という経験から、です。
外部要因に過度な期待を寄せるのではなく、自分のなかに希望を見出せばいいんだ、と。
実際、フランクルは、精神科医であり、心理学者である事から、収容されている人びとを観察し、心理学的に分析し、描写することを決めました。そして、周りの者たちから、話をしてほしいと頼まれると、それはまるで講演をしているかの如く振る舞い、熱い人生論を語ったというくだりもあります。
全体的な印象として、残酷な場面が少なく、心理や、情景の表現がとても美しく、上品な感じを受けます。残酷さに焦点をあてずに、憎しみよりも許しを、理解を、という姿勢が感じられ、そこもまた高評価のようです。(しかし、同胞からは反論もあるようです)
収容者の心理描写は、三段階に分けられ
1、適応しようとする
2、感情の消滅
3、解放後の新たな苦しみ
で構成されています。
そもそも、なぜユダヤ人は収容から逃れることができなかったのか?という答えを見出すことはできませんでしたが、少なくとも貨車で運ばれる時には、脱出しようとしていたことがわかります。
劣悪な環境の中、故郷に近づいた時の車窓からの景色に、心が揺さぶられるくだりや、強制労働の最中でも、ふと見上げた美しい夕焼けに誰かが言った、「何て世界は美しんだろう」という言葉も印象に残りました。
おぞましい出来事は、やがて連合軍の勝利により終わりを告げ、ユダヤの民はそれぞれの地へと、再び散りましたが、新しい国家も作りました。イスラエルです。
そのような流れを知ることで、イスラエルの国家の成り立ちを知り、また新たな問題を抱えていることを知りました。パレスチナ自治区との軋轢です。そして、未だこれらの課題は解決しておらずにいる という現実に、ホロコーストは終わっていないことを教えられました。
最後は、フランクルの言葉で結びます。(ニュアンス)
人生に何を期待するのかではなく、人生が自分に期待している
ここまで読んでくださりありがとうございました。
是非、動画音声も聞いてみてください。(長くなったので、倍速で聞いてくださいね)
ではまた!