シネマ!みちブログ

シネマ! みちブログ

★4以上の映画が好きな、普通の映画レビュー。雑記も多し。

この世界の片隅に

第二次世界対戦下、広島で暮らした一主婦の物語。TSUTAYA子どもとみたい映画の棚にあったので、借りて観ました。

 

 

この世界の片隅に

この世界の片隅に

  • 発売日: 2017/04/26
  • メディア: Prime Video
 

 

あらすじ

 

18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。

 

感想

子ども達は、戦争の話が嫌いというか、怖がるので、一緒にみることができず、一人で観ました。が、結果的にそれで良かったと思います。というのは、想像以上に大人向けでしたから。アニメというので油断していたのですが、艶っぽいシーンが意外と多くて、どきどきしました。特に、小学校の同級生哲、と再会したくだりでは。あわや、、、。すずの性格上、雰囲気に流されて一線を越すことはあるまい、と思いつつ、かなりいい流れがあったので、もしやって期待半分、安心半分でした。夫の周作さんが、積もる話しがあるだろうって、二人っきりで部屋に行きなさいと促した時に、なんでそんな事わざわざするのか不思議で。原作にあたってないのでわかりませんが、すずに対して罪悪感でもあるのでしょうか?遊女リンの存在が影響ありそうですが、映画では、リンと周作さんの関係はないので、謎でした。

あまり戦争と関係ない感想なのですが、そもそも社会や世界の在り方に焦点を当てていない、たまたま時代がそうだったという感じがするのです。勿論、暮らしは戦争に翻弄される。しかし物語の軸は、夫やその家族との関係、姪の命を守れなかったことで変わりゆく義理の姉との関係、といった家族にあるわけです。なので、普遍的なものであるなという印象。一方で見合い結婚やその家族との同居などは随分変化したのだなと思う。僅かこの二代のうちに。

すずは、心の支えとして、絵を描く才能を大切にしていて、周囲も見守るわけで、随分婚家でも大事にされて、悲惨さは全然ない。金子みすゞさんの人生のように詩を書く才能を夫により徹底的に妨害され、抑圧され、梅毒に苦しむというような悲壮感がない。(時代は遡るが、見合い結婚や、女性差別という所は似ていたという意味で)とにかく受け入れる、そして悲観しない。だから、主人公が苦しんで、大変な思いで戦時中生きていた、という話では全然なくて。かと言って、とにかくポジティブというわけでもなく、淡々と飄々と暮らしているすずさんの姿が、これと言った強いメッセージを発することもなく。サラーっと、した感じ。漠然とした表現ですが。こんな風に生きれる人は、幸せ感度高いのだろうなぁと。なので、すごく感動したというのはなく、共感もなく、こんなタイプって、結局のところ最強なのかもしれないと感じました。

 

感動した方は沢山いるようなので、焦りますが、、。正直に書いてみました。

ではまた!