こんにちは、みちです。
今日は、この映画、観たけどあんまよくわかんなかった、という方へ
マルグリット・デュラスの生い立ち、時代背景を知ると、がぜん面白くなった話です。
- 作者:マルグリット デュラス
- 発売日: 1992/02/05
- メディア: 文庫
〈もくじ〉
・ラマン~愛人は自伝なの?
・デュラスの生い立ち
・ラマンの後の物語
ラマン~愛人は自伝?
本を読んでみたことろ、概ね自伝のようだ。
- 作者:マルグリット・デュラス
- 発売日: 2008/04/21
- メディア: 単行本
デュラスが作家デビュー前に書いていたノート
である。
幼少期のことを書いているところが
衝撃的だ。
母親と、2人の兄からの暴力や、
デュラスの愛人である、華僑の大富豪の息子に対する、
差別的な眼差し、にもかかわらず、金銭的に依存する
描写が生々しい。
当時は、
宣伝の割には、あんまり面白くないし、
まったりとして、
どゆこと?と思った記憶。
その後、小説を読んで
18歳で、わたしは年老いた。
というフレーズと
イマージュ
という単語。
映画の冒頭のシーンの
真っ赤な口紅と赤いヒールをはいて、風になびく少女の姿
カフェのような、サロンで
アヘンを吸っている、中国人の彼、の退廃した姿
だけの記憶が残されていた。
何気に手にとった本の中では、小説のように、
ぼんやりとした表現でなく、
事実が淡々としるされていて、とても読みやすい。
デュラスの生い立ち
ベトナム生まれ。
7歳、父を病気で亡くす。*ハノイの中学校で校長先生をしていた
母が小学校の教員をしながら、サイゴンの、メコンデルタ地方、サデックで
2人の兄と共に育つ。
母親が現地の役人に騙され、海水に浸ってしまう土地を買わされたため、
貧しい暮らし。 *「太平洋の防波堤」参照。
14歳で、華僑の大富豪の息子と出会い、恋に落ちた。
↑恋ではなくて、お金目当て。
ノートでは、
華僑に対する、同胞(両親はフランス人学校はリセ)の差別的扱いから、彼との付き合い
は恥ずかしいことだけれども、
母親と兄からは、家計のためには、付き合いをやめないように
圧力がかかっていることが打ち明けられている。
ラマンの後の物語
デュラスが、ナチス政権下のパリで暮らしており
最初の旦那さんと共にレジスタンス活動をしていた、とは知らなかった。
しかも、旦那さんは、ゲシュタポに捕まり、強制収容所に送られていて、
帰ってくるまでのことが、「苦悩」で描かれており、映画化されていた。
まとめ
知れば知るほど、衝撃エピソードに触れることが多く、まさに波乱万丈。
結婚2度は、フランスでは、あるある、なんだろうけれど。
最初の子を亡くしていたり、高校時代に妊娠したものの、産めなかったこと
は、その後のアルコール依存にも大いに影響していると思われ。
不思議なのは、家族に対する、恨みごと、不満が、感じられないことだ。
そのことが、不自然に感じられる一方で、デュラスの魅力につながる雰囲気
も生んでいる。
たとえば、けだるさや、冷たさ、書くことへの熱さ、を。
あなたはどう感じるでしょう?
ではまた!