母に初めて感謝した日【共依存母子】
先週、母がぶっ倒れた。
ちょうど、一週間前だ。
日頃から、早くあっちに行ってくれんかな、と思っている私だが、いざぶっ倒れて青空を仰いでいる母をみるや否や、「おかあさーーん💦💦💦!!!?!!」と小走りしていた。
母は、私と孫息子の3人で、十数年ぶりに、お出かけに来ていたのだ。
場所は、上野動物園。
普段、最寄り駅まで1キロ位を、5kmはある!と言い張るところまで、30分以上かけて歩く母である。
その日は、午後3時とはいえ、疲労困憊だったに違いない。
さて、コーヒー買って帰ろうね、という場面。
テラス席にいた、可愛らしいワンちゃんの
ワンワンの声がした直後に、イヤな物音が。
キャー、だったかもしれない、ドンだったのか、ざわざわだったのか?最早記憶にない。
座れるベンチを探して、足早に歩きだした息子に、待って!と言いそびれて、追いかけた私は、頭の片隅に、母が付いてこれるまで、息子を捕まえて、待たねば、と思っていたところだった。
20m位離れて、母はテラス席とスタバ入り口の空間で、ワンワンの声にバランスを崩して、仰向けで倒れていた。
ざわざわした声の中に、ワンちゃんの声でびっくりして倒れたみたい、という声。
咄嗟に母を抱えて、起こそうとする私を、お店の方が制止した。
「頭打っているのでそのままの方がいいです!」
なんてこと!とパニクる私。
とりあえず、上着をお腹にかけていると
見知らぬ男の方の声が耳に入る。
「救急車呼びますか?」
すかさず、「お願いします!」
と頼んでいると、おもむろに、母の腕をとり、脈をとる女性が。
看護師見習いというその方。
救急隊が来るまで、一緒にいてくれた。
「出血がなくて、良かったですね。」とか
「血圧も安定しています。」とか
「意識もはっきりしています。」など
教えてくれて心強かった。
そうこうするうちに、救急車が来て、警察も来て、私の代わりに電話をしてくれた男性も、取り調べを受ける、という事態になっていた。
私達との関係性を問われたようで
「通りすがりのものです。」と、答えていたのだけを覚えている。
その後、救急車に乗り、無事に病院で診察をしてもらい、命に別状なく、帰宅することが出来た。
上野からタクシーで、6900円。
事の詳細は覚えていない母だが、タクシーの金額は今でも思い出せるらしい。
母との最後が、この日にならなくて良かった。初めて、有難いと思った。
あの席にいた犬の飼い主さんに、申し訳なく謝ってみたものの、彼女は何のことかしら?という表情でうなづいていたことが、なんだか滑稽に感じる。
そんな私も、犬に吠えられて、びっくりして、私まで転んではいかん!と瞬間思ったのを覚えている。
さて、スタバのお店の方には、ブランケットを貸して頂いたりと助けて頂いたので、何かお礼を思うのだが、どうしたら良いんだろうか。
折菓子を送ろうか?
DMは送れるかな?
あの時のあの方の名前さえわからない。
ぐるぐる考えた挙げ句、手紙を送る、っていう。
皆さんなら、どうされますか?
読んでくださりありがとうございます。
ではまた!