サウルの息子
今回も、ホロコーストを描いた作品の紹介です!
アウシュビッツに収容されたユダヤ人のサウルが、自分の息子を見つけて弔うまでの物語。
- 発売日: 2016/08/01
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あらすじ
サウルは、ナチス政権下アウシュビッツに収容されたユダヤ人。強制された労働は、ゾーンコマンド、特殊任務である。
同胞であるユダヤ人をガス室に送り、息絶えた大量の者たちを焼却炉で燃やすという。
サウルはいつも通りに任務を果たしていたがある時、ガス室で、もはや生きてはいない自分の息子、を見つけるのだ。
他の者のように燃やすのではなく、信仰しているユダヤの教えの通り、聖職者(ラビ)の祈りの後、埋葬したい、と思う。涙を流したり、泣き叫ぶことはない。悲しむ様子はなく、ただ息子を抱き抱え、ナチス親衛隊(SS)に見つからないように隠すだけだ。
祈りを捧げてくれるラビを見つけなければ。
続々と貨車で到着する同胞に呼び掛ける。
ラビ?
大勢の同胞のなかに紛れてしまうとSSに選別されてしまう。
ゾーンコマンド
と言えば、選別から外れる。特別待遇だから。
呼び掛けたなかにラビを見つける。次は埋葬だ。収容所の外に。
死者の灰は、トラックで川に運ばれる。その際に、サウルは自分の息子を抱き抱え、川を泳ぎ渡るのだ。監視しているSSの銃弾を免れて。果たして、岸にたどり着き、森のなかに埋葬にふさわしい場所を見つけ、いざ祈りの時。
!?(ラビはラビじゃな、、、)
感想
まず、???と思った。
サウルは埋葬できて満足したのか?どうして自分の息子だと確信できた?そもそも、埋葬にこだわる理由は?
いずれも解答は、ない。
ただ、祈りと共に弔うこと、は当たり前のことなのに、収容所では命がけのあり得ないことなんだ、と。
収容所でおぞましい仕事を強制的にせざるえない毎日のなかで、信仰により自分を保つことができる、ということなのかな。いずれは自分も同じ運命だと知ればなおさら。
カメラワークについては、細部の再現がカラーだと難しすぎて、寄りになったようだ。しかし、サウルは視野が狭かったからこそ、自分の息子と思い込みやすかった、のかもしれない。また、不謹慎だが、ガス室から引き出される女性の裸体に、きれいだな、ふくよかだな、と思ってしまった。貨車から直行で来た人達ならそうだったのだろうなぁ。
途中で、サウルはレジスタンスに協力すべく、カメラを隠すところがあるが、細かい行動について参考にした書籍はこちらです。
私はガス室の「特殊任務」をしていた 知られざるアウシュヴィッツの悪夢 (河出文庫)
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ユダヤの教えでは、埋葬に重要な意味があるのか知らないし、まだまだ深掘りしていきたいと思っています。
ではまた!