カティンの森
アンジェイワイダ監督 構想50年、この映画を撮るために生きてきた、渾身の作品です。
あらすじ
第二次世界大戦下、ポーランド南部の町で暮らす私アンナ。ドイツ軍が侵攻してきたという。娘ニカを連れて荷物を持ち、歩いてにげる。途中の橋で、反対側からも大勢の人たちが避難してくる。ソ連軍が近づいているという。知り合いを見つけて、クラフクに行った方が良いといわれたが、私は行かない。夫を探す。軍隊にいる夫アンジェイに会わねば。
途中で、探していた夫に会えた。一緒に逃げて欲しい、と頼んだけれど、彼は軍務を放棄するわけにはいかないと。私と娘は、彼のお母さんと一緒にひとまず落ち着くことができたが、夫はどうしているだろうか。
僕は、妻に娘を託して軍隊にいるが、今はソ連軍の捕虜になってしまった。教会にいるけれど、間もなくどこかに移送されるようだ。とにかく手帳に日記を書いておこう。しかし、寒い。幸運なことに、友人イェジがセーターをかしてくれた。ありがたい。
私は夫を待つ。軍隊で命を落としたものは、新聞に名前が載っているという。夫の名前はないが、夫の友人イェジの名前が載っていた。
時が経ち、突然いないはずのイェジが訪ねて来た。「あの時、アンジェイは、俺のセーターを着ていたんだ」
酒場でイェジは酔う。俺は友人を失った。この目でみたことを、本当の事を言いたいんだ。みんなだって知ってるだろう。誰の仕業か。生き残っても本当のことを伝えられないなんて、、、。
僕は、列車で移送されてるところだ。どうなるかわからないが、とにかく記しておく。
ーー彼らの軍隊含む1万数千もの遺体が、後にドイツ軍によって発見される。ポーランド東部のソ連領、カティンの森で。
まとめ
私は、本当に思い込みが強いのだなぁ、と改めて感じることになりました。ドイツ軍のナチスのしたことだと思いながら映画を観ていたんです!だから、混乱していたんです、ずっと。
でもカティンの森でのシーンで、分業で無感情に流れ作業で行われた残酷な場面を見て、やっぱり、ここでもナチスは機械的にしていたのだな、と思ってしまったんです。わたしのように、無知で思い込みの強い人は少なくなかったからこそ、ソ連は、ドイツ軍のしたことだと、世界に発信し、信じこませることに成功していたのかもしれません。(再度見たら、列車の一番前に、大きな赤い星がついていました)(しかも、ポーランドの人は、本当の事を言えないだけで知っていたけれども。)
そして、自分の父親をカティンの森で失っているワイダ監督は、ずっと、真実を伝えたかった。
ゴルバチョフ書記長が公式に、スターリン軍がしました、と認めてから20年くらいたつのに、この出来事を知らずにいる私も相当恥ずかしいんし、こんな風に思い込んで真実ではないことも他にあるんじゃないかな、と思う次第でありました。
あなたはどう感じるでしょう?
ではまた!