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★4以上の映画が好きな、普通の映画レビュー。雑記も多し。

【感想】夜と霧【未来を決める!といい話】

こんにちは、みちブログです。

今日は、v.e.フランクルの夜と霧の感想でございます。

  

夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録

夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録

 

  

夜と霧 新版

夜と霧 新版

 

 ホロコーストを生き抜いた数多くの手記の中で外せない一冊ですよね。とりわけ、初版の写真のインパクトは生涯忘れる事はなさそうです。

 

読後まずは、自分の境遇が、大分ましだと気がついて安心します。お腹いっぱい食べれることのありがたみや、家族がいてくれる、住む家がある事、に。

 そのあと、大切なメッセージを受けとる。

 

 それは、未来になりたい自分を決めるといい、です。

 

 未来の自分に希望を持ち、あたかも実現しているかのごとく振る舞う。マーフィーの法則みたいですが。

 希望をもつ事は大事だけど、持ち方があるよ、とも。

 

クリスマスに解放されるという噂を信じていた多くの人が、叶えられないと分かると、バタバタと亡くなった、という経験から、です。

 

外部要因に過度な期待を寄せるのではなく、自分のなかに希望を見出せばいいんだ、と。

 

実際、フランクルは、精神科医であり、心理学者である事から、収容されている人びとを観察し、心理学的に分析し、描写することを決めました。そして、周りの者たちから、話をしてほしいと頼まれると、それはまるで講演をしているかの如く振る舞い、熱い人生論を語ったというくだりもあります。

 

全体的な印象として、残酷な場面が少なく、心理や、情景の表現がとても美しく、上品な感じを受けます。残酷さに焦点をあてずに、憎しみよりも許しを、理解を、という姿勢が感じられ、そこもまた高評価のようです。(しかし、同胞からは反論もあるようです)

収容者の心理描写は、三段階に分けられ

1、適応しようとする

2、感情の消滅

3、解放後の新たな苦しみ

で構成されています。

そもそも、なぜユダヤ人は収容から逃れることができなかったのか?という答えを見出すことはできませんでしたが、少なくとも貨車で運ばれる時には、脱出しようとしていたことがわかります。

劣悪な環境の中、故郷に近づいた時の車窓からの景色に、心が揺さぶられるくだりや、強制労働の最中でも、ふと見上げた美しい夕焼けに誰かが言った、「何て世界は美しんだろう」という言葉も印象に残りました。

おぞましい出来事は、やがて連合軍の勝利により終わりを告げ、ユダヤの民はそれぞれの地へと、再び散りましたが、新しい国家も作りました。イスラエルです。

そのような流れを知ることで、イスラエルの国家の成り立ちを知り、また新たな問題を抱えていることを知りました。パレスチナ自治区との軋轢です。そして、未だこれらの課題は解決しておらずにいる という現実に、ホロコーストは終わっていないことを教えられました。

最後は、フランクルの言葉で結びます。(ニュアンス)

 

人生に何を期待するのかではなく、人生が自分に期待している

 

ここまで読んでくださりありがとうございました。

是非、動画音声も聞いてみてください。(長くなったので、倍速で聞いてくださいね)

ではまた!


【夜と霧】V.E.フランクル【未来を決める!と上手くいく】