シネマ!みちブログ

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★4以上の映画が好きな、普通の映画レビュー。雑記も多し。

ぼくの村は壁に囲まれた 〜パレスチナで生きる子ども達

今日は、新聞記事を見て思い出した本についての紹介をしてみます。

もくじ

  • 気になった新聞記事
  • 参考になった本
  • まとめ

気になった新聞記事

クリスマスイブの日経(夕刊)の社会面の記事
『聖地』に輝くバンクシー
ベツレヘムに新作という見出しでこちら↓
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正体不明の路上芸術家バンクシーが、ベツレヘムにあるホテルに、新作を展示。作品名は『ベツレヘムの傷痕』。ホテルは、世界一眺めの悪い、のが売りの『ザ・ウォールド・オフ・ホテル』。全ての客室の窓から分離壁が見えるそうだ。

バンクシーって誰?と思って検索してみたけど、謎でした。しかし、既にとても有名で、ドキュメンタリー映画も監督しているようです。

モノクロで色や大きさがわかりませんが、キリストが生まれた家畜小屋で、ヨーゼフ父さんとマリア母さんが赤ちゃんキリストを見守る姿がとてもかわいらしい。牛や馬?もかわいいのだが、壁が怖い感じです。銃弾による穴は、キリスト生誕を東方の三博士に知らせた『ベツレヘムの星』を表してもいるそう。

参考になった本

先日イスラエル占領政策のいきさつと、パレスチナ自治区の現状について書かれた本、こちら↓

ぼくの村は壁で囲まれた―パレスチナに生きる子どもたち

ぼくの村は壁で囲まれた―パレスチナに生きる子どもたち

を読み終わったところなので、おぉぉぉ!分離壁を忘れない人がいる!と思いつつ、この本に会うまで、分離壁の存在を知らなかった、私のような無知で無関心な外国人にも、気がついてもらえるといいなぁと思ったんです。

私は、特に政治的な問題意識を持って、分離壁を無くすべきだーと声高に叫ぶつもりはなく、単純に、びっくりしていたところだった。だって、このご時世に、いまだに人種隔離をする為の壁を作り、継続させ、やめるつもりがないなんて、ありえるーー?!しかも、壁をつくり、そこに閉じ込めパレスチナ人を迫害しているのは、イスラエル人、つまり、かつては同胞が自分達が迫害され、ゲットーに押し込まれ虐殺された歴史をもつユダヤ人だっていうんだから、もうどういうこと?!なわけで、復讐なのか、行き過ぎた防御なのか、何があった?と混乱の渦にいるわけです。

誤解されない為に補足すると、ホロコーストで収容され、生き延びた後、イスラエルに移住したユダヤ人たちは、パレスチナに対する迫害政策に抗議の意を表明している。

イスラエルに住み迫害しているユダヤ人は、ホロコースト以前にヨーロッパから、移住していたものたちが主らしい。

さらに、強制収容を回避することができた人たちは、抵抗もせずに収容されて強制的にせよナチスの手下となり労働するとは、情けないという感情も持っているらしい。

ヨーロッパにいた頃には、さまざまな差別に晒されていた経験を経て、自分達の国を作り上げた自信にあふれた誇り高きユダヤ人が作った壁なのであるから、これを壊すことは容易でなさそうだなぁと思う。

一方で、パレスチナ人は可愛そうなだけなのか、というと、なかなかにしたたかで力強いなとも思う。

そもそも、ユダヤ人に土地を売ったところから、始まるらしい。
ヨーロッパから、移住してきたユダヤ人がコツコツと少しずつパレスチナ人たちの土地を購入して、農地にしたり、自分の家を建てるという普通の取引が行われていた。

とても儲かったパレスチナの人もいるかもしれない。(うわさはないが)気が付いたら、とてもパレスチナ人の土地が少なくなっていたという。
イスラエル建国以降の70年の間に4回の闘いにも負けて、現在の自治区に閉じ込められたままであったり、新築は建てたら駄目、自治区出入りには専用のゲートを通らないといけないなどの不便な生活を強いられている、にも関わらず、未だに闘う意識が満々なのがまた驚きであった。参考本はこちら↓

ぼくたちが聖書について知りたかったこと (小学館文庫)

ぼくたちが聖書について知りたかったこと (小学館文庫)

パレスチナの母親が『息子たちを殺すなら殺せばいい。いくら殺したってまた産むから』と言う。著者の池澤夏樹さんは、モンスーン地帯の人間と砂漠の民との違いだと。モンスーンの地では、時の流れを自然に任せているが、砂漠には暦はなく、時に任せて忘れるということをしないからだと解説していた。なかなか激しい感情であるが、不妊治療で心身消耗した私からすると、その生命力が羨ましい気もする。

まとめ

先日イスラエルによるパレスチナ自治区での戦争犯罪がないかの捜査に国連機関が入るとの記事もあったので、今後の行方を見守りたい。

ユダヤ人の歴史↑(聖書について知りたかったこと)を、読み終えて確信した事。ユダヤ人が優秀なのは、ひたすら努力して、長時間かけて、勉強したから、という非常に当たり前のことだ。その気力はどこから生まれたか?やはり、迫害であり、選民思想からくる誇りだろうと思う。

あなたは、ユダヤ人について、どう思うでしょう?
ではまた!