タイトル読み【統合失調症の母と生きて】
こんにちは、みちです☺️
私の実母は統合失調症なのでは?
と密かに思い、タイトルで選んだ本。
あいにくこの病気は、個人差が大きく、人により、症状は様々らしい。
よって、実母はこの病気だ!という確信は何一つ得られなかった。
けれども、非常に救われた気になった。
まず、母によって、良くも悪くも、振り回されているのは、私だけではないと知ったこと。
さらに、母とは別の人間として、独立し、自立した人生を送ることができる、と感じられたから。
著者が弁護士になったことや、彼女が母親を、重度の統合失調症ながらも、ひとり暮らしを支える態度から、感じられる。
彼女が幼い頃、母親が病を発症して以来、住んでいた家がゴミ屋敷と化していく様や、育児放棄同然の生活ぶりは、読みごたえ十分である。
幼い妹と2人で、ベッドのそばで、空想の物語を作って遊ぶ日常や、母親の代わりに買いものに行く様子など、事細かく描写されているだけでなく、非常に豊かな表現がなされており、まるで小説のようだ。
母親が、父親の車に突っ込んでいくシーンが一番度肝をぬかれた。
アメリカ社会での話なので、文化の違いからくる衝撃もあると思う。
全般に、中立な立場で描かれていて、家族に対する憎しみや悲しみにフォーカスされておらず、淡々と事実を書き連ね、また醸し出す美しい雰囲気が、良い。
彼女の母親が、ビジュアル的に美しいためかもしれない。
最後にある書評がまた、実に的を得ていて胸がスッキリする。
世界の中で、このような家庭があるのだ、と知るのと知らないのでは、大違いである。
あなたは、どんな風に育ったでしょうか?
ではまた!